こんにちは、たいし(プロフィールはこちら)です!
近年フリーランスエンジニアとして働く人が増えています。 会社員とは異なり時間や場所に縛られずに働けるというメリットがある一方、契約形態によって収入や責任が大きく異なるため、自分に合わない形態を選んでしまうと後悔することになるかもしれません。
この記事では、フリーランスエンジニアの代表的な契約形態について、それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します。 さらに、自分に合った契約形態を見つけるためのポイントや、契約時の注意点についても紹介します。
この記事を読むことで、フリーランスエンジニアの契約形態の特徴を理解し、自分に合った形態を選ぶことができます。また各契約形態のメリット・デメリットを比較し、リスクを最小限に抑えることができます。
フリーランスエンジニアは契約形態をきちんと知っていないと、トラブルに巻き込まれる可能性があり危ない!
フリーランスエンジニアの契約形態
フリーランスエンジニアの主な契約形態として、「請負契約」と「準委任契約(SES契約)」があります。この2つの契約形態を表にまとめると、下記のようになります。これだけだと分からないと思うので、詳しく説明します。
請負契約 | 準委任契約 | |
---|---|---|
受注者の義務 | 仕事の完成義務を負う | 善管注意義務を負う |
成果物の納品 | 成果物の納品が必要 | 成果物の納品が必要ない |
報酬のタイミング | 成果物の納品後に報酬 | 業務の遂行に応じて報酬 |
瑕疵担保責任 (契約不適合責任) | あり | なし |
請負契約
受注者は注文者の指示に従って、一定の成果物を完成させる義務を負います。一方で注文者は、成果物の完成に対して報酬を支払う義務を負います。請負契約の特徴として、以下の2点があります。
- 仕事の完成を目的とする契約:請負契約は、特定の仕事を完了させることが主な目的です。
- 担保責任がある:成果物に対する品質や完了の義務を負います。
請負契約の瑕疵担保責任(契約不適合責任)とは?
請負契約には「瑕疵担保責任(契約不適合責任)」というものがあり、受注者(フリーランスエンジニア)が納品した成果物に何らかの不具合(瑕疵)があった場合に受注者が負う責任のことをいいます。具体的には、以下のようなケースが該当します。
- ウェブサイトに重大な不具合があり、正常に動作しない
- アプリにバグがあり、本来の機能が発揮できない
- 設計書や要件定義書に矛盾や誤りがある
- 納品物の品質が、契約で定めた水準に達していない
このような場合、発注者(クライアント企業)は受注者に対して、以下のような対応を求めることができます。
- 無償で修理・修正を行うこと(無償修補)
- 不具合により発生した損害を賠償すること(損害賠償)
- 契約を解除し、既に支払った報酬を返金すること(解除・返金)
受注者は発注者に納品物の不具合がないことを保証する義務があり、不具合があれば瑕疵担保責任を負うことになります。この責任を怠ると、発注者から損害賠償などを求められるリスクがあります。
したがってフリーランスエンジニアは納品物の品質を十分に検査し、不具合がないことを確認する必要があります。また責任範囲を明確化するため、契約書に瑕疵担保責任の内容を具体的に定めることが推奨されます。
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請負契約のメリット・デメリット
請負契約には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
【メリット】
- 作業の自由度が非常に高い
請負契約では、成果物を納めさえすれば作業工程や方法は受注者(フリーランスエンジニア)が自由に決められます。自身のスキルや経験を最大限活かした働き方ができます。 - 短期の案件でも受注が可能
成果物の納品さえできれば契約が終了するため、期間が短くても請負契約として受注することができます。複数の短期案件を掛け持ちやすいメリットがあります。 - 高い報酬設定が期待できる
自身のスキルと実績に見合った高い報酬額を設定できる可能性があります。優秀な成果を上げれば、次の案件に有利に働きます。 - 自由な働き方ができる
作業時間や場所を自由に選べるため、プライベートと仕事の調和がとりやすくなります。リモートワークにも適しています。
【デメリット】
- 収入が不安定で見通しが立てにくい
案件が継続して受注できるか分からず、安定した収入源がない点がデメリットです。工夫が必要です。 - トラブルリスクがある
納期遅延や品質問題などが発生した場合、損害賠償請求を受ける可能性があります。リスク管理が欠かせません。 - 長期の案件には不向き
長期的な常駐案件などでは、柔軟性に欠ける側面があり、準委任契約や雇用契約の方が適している場合があります。
準委任契約(SES契約)
準委任契約は、フリーランスエンジニアが最も一般的に結ぶ契約の一つです。特定の業務の遂行が目的であり、仕事の結果や成果物に対して完成の義務を負いません。前述した請負契約の瑕疵担保責任はなく、業務の結果に対して不備があったとしても、委任者(クライアント企業)は受任者(フリーランスエンジニア)に対して修正や保証を求めることができません。
準委任契約の善管注意義務とは?
準委任契約には瑕疵担保責任はありませんが、フリーランスエンジニアも「善管注意義務」というものは負います。この義務がどのようなものかというと、具体的には以下のようなものとなります。
- 委任者(クライアント企業)の利益を最優先に考え、誠実に業務を遂行すること
- 自身の専門的知識・技術を十分に活用し、高い注意を払って作業を行うこと
- 作業の進捗状況を適切に管理し、必要に応じて委任者に報告すること
- 作業上の問題が発生した場合は、速やかに委任者に連絡し、対策を講じること
- 守秘義務を守り、委任者の秘密情報を厳重に管理すること
フリーランスエンジニアは受託業務に対して専門家としての十分な注意と能力を持って当たる必要があり、委任者の利益を最優先し、誠実に対応が求められます。この義務を怠ると、たとえ成果物に瑕疵(不具合)がなくても、善管注意義務違反として損害賠償責任を問われる可能性があります。
つまり作業自体に問題がなくても、受託者の対応に問題があればクライアントに損害が発生する恐れがあり、その場合は善管注意義務違反と見なされます。フリーランスには高い倫理観と誠実さが求められます。
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準委任契約のメリット・デメリット
準委任契約について、以下のようなメリット・デメリットがあります。
【メリット】
- 長期的な関係性を構築しやすい
同一クライアントとの継続的な取引が見込めるため、安定した収入源を持ちやすくなります。 - スキルアップの機会
クライアントからのフィードバックを活かして、自身のスキルアップに繋げることができます。 - 新しい知識や経験を積むことができる
クライアントのニーズに合わせて様々な業務に携わることで、新しい知識や経験を積むことができます
【デメリット】
- 注文主の指示に従う必要がある
一定の自由度はあるものの、クライアントの具体的な指示に従って作業しなければならず、制約があります。 - 長時間労働のリスク
クライアントとともに仕事をすることになるが、フリーランスエンジニアは労働基準法が適用されないので、場合によっては長時間労働となるリスクがあります。
準委任契約と派遣契約の比較
準委任契約と派遣契約の違いを表にまとめると、以下のようになります。
準委任契約 | 派遣契約 | |
---|---|---|
指揮命令権 | クライアントは業務の指示のみ | 派遣先企業は具体的な指示 |
責任範囲 | 成果物の完成義務なし、善管注意義務 | 派遣元企業が派遣社員の業務上の責任 |
報酬支払い方法 | 成果/時間単価 | 派遣先企業から派遣元企業へ |
社会保険・福利厚生 | 自己負担 | 派遣元企業が提供する |
準委任契約と派遣契約の大きな違いは、指揮命令権と社会保険にあります。準委任契約では、クライアントは業務の指示を出すことができますが、具体的な作業方法については受任者の自由です。一方で派遣契約は、派遣先企業が派遣社員に対して具体的な指示を出すことができます。また準委任契約は社会保険・福利厚生は自己負担となりまが、派遣契約では派遣元企業が社会保険・福利厚生を提供します。
準委任契約はクライアントとの密接な連携を築き、柔軟な働き方をしたい方におすすめです。一方で派遣契約は責任範囲が明確で、安定した収入を得たい方におすすめです。どちらの契約が自分に合っているかは、自身のスキルや経験、働き方、収入の安定性などを考慮して判断する必要があります。
請負契約と準委任契約のどちらがオススメ?
請負契約と準委任契約はそれぞれ異なるメリット・デメリットがあるため、フリーランスエンジニアの経験値や希望する働き方によって適した契約形態が変わってきます。
【請負契約がオススメなエンジニア】
- 高いスキルと専門性を持ち、自身の裁量で質の高い成果物を作り上げられるエンジニア
- 短期の案件を効率よく遂行したい
- 時間に縛られず自由な働き方を重視する
- 収入の変動を許容できる
請負契約はクライアントからの具体的な指示は少なく、作業の自由度が非常に高いのが大きなメリットです。自分の力を最大限発揮してプロジェクトを遂行したいベテランエンジニアや、スキルに自信があり短期案件に特化したいエンジニアに適しています。
【準委任契約がオススメなエンジニア】
- 中級レベルで経験を積みながらスキルアップを目指すエンジニア
- 長期的な案件に関わりたい
- ある程度の安定収入を求める
- 作業の指示を受けながら業務を行うことに抵抗がない
準委任契約は注文主の指示の下で作業を行うため、自由度は請負より低くなりますが、長期取引が見込めるメリットがあります。経験を重ねてスキルを磨きたい中級者や、ある程度の安定収入と指示があった方が安心できるエンジニアに向いています。
最終的には自身の経験値や価値観、ライフスタイルに合わせて検討する必要があります。案件の内容や期間、発注者との関係性なども考慮に入れて、より適した契約形態を選びましょう。
フリーランスエンジニアの始め方
まずフリーランスエンジニアになるためには、開業届の提出が必要となります。ただ開業届は行政書類のため、普通に書類に記載して提出しようとすると書き方が難しいので苦労します。しかしある方法を使うことで、初めてでもすんなりと提出完了できてしまいます。その方法について以下に記載してますので、ご興味ある方はぜひご確認ください。
\開業届を簡単に提出するとある方法とは!/
開業届を提出し晴れてフリーランスエンジニアとなった後は、収入のために案件を探さなければいけません。フリーランスエンジニアの案件探しは、他の仕事と比較してフリーランスエージェントが充実しているのであまり苦労しません。以下におすすめのフリーランスエージェントについて、まとめています。どのフリーランスエージェントを使えばいいのか分からない方は、以下で紹介しているエージェントであれば、どれも当たりなので参考にしてください。
\どれも当たりなフリーランスエージェント3選!/
この他にもフリーランスエンジニアに大切な準備などの情報を、下記のリンクに集約しております。フリーランスエンジニアは必見の情報となっておりますので、ぜひご覧ください。
>> フリーランスエンジニアは必見!フリーランスが知っておくべき知識をまとめて紹介
まとめ
今回はフリーランスエンジニアが知っておくべき、契約形態についてまとめました。フリーランスエンジニアは自由が多いですが、誤った契約の仕方をしてしまうとクライアント企業とトラブルにまで発展してしまう可能性があります。本記事がトラブルを避け、充実したフリーランスライフの参考となると幸いです。
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