こんにちは、たいし(プロフィールはこちら)です!
近年ChatGPTを代表とするAI技術の目覚ましい進歩により、生成AIと呼ばれる新しい技術が登場しました。この技術は文章、画像、音楽など様々なコンテンツを自動生成することができ、IT業界の様々な分野に大きな影響を与えつつあります。特に新たにIT業界を目指す方にとっては、大きな障壁となる可能性があります。なぜなら生成AIによって、初心者エンジニアがやるようなプログラミング業務を奪ってしまう可能性があるからです。
そこで今回はエンジニアの私が、生成AIがIT業界に与える影響とプログラミング学習について解説します。またIT業界への新規参入を目指す方へ向けて、具体的な学習方法や将来の展望についても紹介します。
先延ばしにすることでIT業界への参入難易度が上がるので、プログラミングやエンジニアにご興味がある方はお早めに!
【2024年5月18日追記】
5月13日(米国時間)にOpenAIから、新たなAIモデル「GPT-4o」が発表されました。詳細説明については割愛しますが、従来のChat-GPTからさらにワンランク上へ進歩しました。このようにAI技術は私たちが考えるよりも、格段に速いスピードで進化していきます。そのことを肝に銘じて、この記事を読み進めていただければなと思います。
ChatGPTなどの生成AIにより未経験エンジニア転職が難しくなる?
私はChatGPTなどの生成AIの登場により、未経験からエンジニアとなることが、これからの時代はどんどん難しくなっていくのではないかと考えています。その理由として、以下のようなことが生成AIにより学ぶ機会を奪われるためです。
\本内容をショート動画で解説!/
- 簡単なコーディング経験が得られなくなる
プログラミングを学ぶ初級者は、これまでToDoアプリやWebサイトの静的なページ作成などの比較的単純なプログラミング課題から経験を積み重ねてきました。しかし生成AIが基本的なコーディングを代行できるようになると、こうした入門レベルの実践機会が失われてしまう可能性があります。 - エラー修正やデバッグの経験が乏しくなる
プログラミング学習において重要なのは、エラーが発生した際にデバッグを行う能力を身に付けることです。しかし生成AIが正しいコードを生成すれば、初心者がエラー修正から学ぶ機会が減少してしまいます。これにより、問題解決力やロジック的思考力の育成が阻害される恐れがあります。 - コーディングの思考プロセスが理解しづらくなる
要件定義、設計、実装、テストなどのプログラミングのプロセス全体を体験することで、論理的な思考力が身につきます。しかし生成AIに全てを任せてしまえば、そうしたプロセスを体感する機会が少なくなり、コーディングの本質的な理解が難しくなるかもしれません。 - ポートフォリオ作成の機会が失われる
新人エンジニアが就職する際は、学生時代に作成したWebサイトやアプリをポートフォリオとして提出することが一般的です。しかしそうした実績作品のコーディング部分を生成AIが肩代わりしてしまえば、初心者にとってポートフォリオづくりの機会が失われてしまうリスクがあります。
このように生成AIにより入門者向けのコーディングが代行されると、初心者エンジニアが実践を通して経験を積む機会が失われ、プログラミングの基礎的な能力の育成が阻害されかねません。またこれまでプログラミングの入り口として使われてきたものが、AIを使えばできてしまうので未経験からエンジニアになる際はより高いスキルを証明する必要があります。
ではプログラミング学習は不要となるのか?
上記で生成AIなどの新しいAI技術の発達により、一部のコーディング作業はAIに代替されることについて説明してきました。ではこれからの時代、プログラミング学習は不要となるでしょうか?私はそれでも、プログラミングスキルが不要になることはないと考えています。むしろ逆で、よりプログラミング学習が必要だと考えています。私がそのように考える理由は、以下の3点です。
- エンジニアにはコーディング以外の仕事も複数ある
- AIの登場でよりエンジニアの仕事が増える
- AIを使いこなすためにはプログラミングの知識が必要不可欠
これらについて、詳しく解説します。
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エンジニアにはコーディング以外の仕事も複数ある
ソフトウェア開発の工程は、単にプログラミングだけに留まりません。要件定義、設計、テスト、運用、保守など、様々な重要な工程があります。生成AIはコーディング作業の一部を代替できるかもしれませんが、それ以外の上流・下流の工程ではAIには限界があり、人間エンジニアの関与が必須です。
例えば要件をきちんと正確に定義し、ステークホルダーとのコミュニケーションを取ることは、AIには難しい作業です。また出来上がったソフトウェアのテストや検証、不具合の解析と対処などの工程も、人間の判断力が不可欠となります。つまりコーディングそのものは生成AIに置き換えられる可能性があっても、開発全体のプロセスにおいては人間エンジニアの役割が残り続けるということです。そのためコーディングスキルだけでなく、要件定義、設計、テストなど、様々な工程に関する知識とスキルを身につける必要があり、プログラミング学習の重要となります。
AIの登場でよりエンジニアの仕事が増える
生成AIが発達すれば、それを活用したAI製品やAIシステムの需要が急速に高まることが予想されます。つまりエンジニアに求められる仕事は、より多様化し増大すると考えられます。例えばAIモデルの構築や最適化、学習データの前処理、AIシステムの設計やインテグレーションなど、従来のシステム開発とはまた異なる新しい種類の仕事が生まれてくることが予想されます。
また生成AIが活用できる領域が広がれば、その分野の専門知識も必要となります。AIを金融や医療、マーケティングなど様々な業界で活用するためには、その業界の知見とAIを組み合わせる力が求められます。このようにAIの発展に伴い、エンジニアに期待される役割は拡大し多様化していきます。つまり幅広いスキルセットとプログラミング力が一層重要になります。
AIを使いこなすためにはプログラミングの知識が必要不可欠
生成AIをある程度使いこなすだけなら、プログラミングスキルがなくてもできるかもしれません。しかしAIを最大限活用し、新しい付加価値を生み出すためにはプログラミングの専門知識が不可欠です。なぜならAIをきちんと理解し、プログラムとして設計・実装するには、プログラミングの基礎理論や技術的な素養が必要になるからです。
例えば生成されたコードのロジックをデバッグしたり、モデルのアーキテクチャやアルゴリズムを最適化したりするには、高度なプログラミングスキルが求められます。さらにAIのさまざまなライブラリやフレームワークを活用するためにも、プログラミングの知見が不可欠です。APIの利用法、データの前処理、入出力の管理などに高い理解力が必要とされます。つまりシステムそのものを構築・改善したり、新たな価値を創造するには、プログラミングに関する専門的で深い知識が必要不可欠となります。
このように生成AIが発達した時代においても、プログラミング学習は大変重要です。エンジニアの仕事そのものの変化、新たな仕事の増加、AIを最大限活用するための専門知識の必要性など様々な理由から、プログラミングスキルの重要度はより高まると考えられます。
新しくITエンジニアとなりたい方へのアドバイス
これまでで未経験からITエンジニアになるのが、生成AIによってどんどん難しくなってきている理由についてご説明してきました。ただこれからもITエンジニア不足が続くため、需要がある業界です。またAIによって、これまでの想像以上に伸びることが想定される業界でもあります。そこで現役でエンジニアしている私から、これからIT業界を目指したい方に向けて、以下についてアドバイスしたいと思います。
- できるだけ早くIT業界に参入する
- 生成AIの活用方法について学ぶ
これらについて、詳しくご紹介します。
できるだけ早くIT業界に参入する
生成AIの発達により、IT業界での競争がだんだんと激化することが予想されます。単なるコーディングスキルだけでは差別化が難しくなり、高度なプログラミング力と付加価値を生み出す能力が求められるようになります。そのため、プログラミングの基礎をできるだけ早期に身につけておくことが重要です。
以前こちらの記事にて、未経験からエンジニアになるための3STEPについて紹介しました。今でも誰でも安全にエンジニアになるためには、こちらの3STEPがおすすめです。ただ生成AIによってIT業界がスピードアップしたので、もしかしたらこちらの方法では、安全だけどIT業界への参入に時間がかかりすぎてしまうかなとも感じています。
そこでスピード感を重視するのであれば、最終STEPとして紹介した「プログラミングスクールの受講」にいきなり取り組んでもよいのかなと思います。プログラミングスクールを利用すれば、3か月~半年でエンジニアとして働くことができます。以下のリンクに、私がおすすめしているプログラミングスクールについてまとめています。生成AIの進化スピードに負けないように、ぜひご検討ください。
\早くエンジニアになるためにおすすめプログラミングスクールを紹介!/
生成AIの活用方法について学ぶ
これからITエンジニアを目指す方は、生成AIの活用方法についても学んでおいた方がいいです。その理由として、以下のようなものがあります。
- 生産性の大幅な向上
生成AIを適切に活用することで、コーディングの生産性を飛躍的に高められます。単純作業をAIに任せることで、手間とコストを大幅に削減できます。生産性が高まれば、短期間でより多くの実践経験を積むことができます。 - AIとの協調作業が求められる
今後ますますAIが開発の現場で活用されていくため、人間とAIとの協調した作業が不可欠になってきます。初心者の段階からAIを使いこなす経験を積んでおけば、将来的に優位に立てます。 - 技術の潮流に乗り遅れない
生成AIは急速に発展しており、IT業界の主流技術となりつつあります。この潮流に早期に習熟しておけば、AIに置いていかれるリスクを回避できます。 - 応用力とデバッグ力の育成
生成AIの出力を理解し活用するには、プログラムのロジックを読み解く力が求められます。これは初心者にとって大変良い応用力練習になります。さらに、出力されたコードを改修する過程で、デバッグ力も身につきます。 - 創造性の発揮の場
AIには創造性がありませんが、人間にはあります。AIの出力を素材として、独自のアイデアを形にすることで、創造力を伸ばすことができます。
生成AIが発達する中で、AIリテラシーを身につけることは今後のエンジニアにおいて必須の要件となります。時流に乗り遅れず、AIとの協調作業を円滑に進められるよう、初心者の段階から生成AIの使い方を学んでおくことが大切です。
まとめ
今回は生成AIによって、未経験からエンジニアを目指す方にどのような影響があるかについて考察してみました。これから生成AIによるプログラミングは、どんどん発展していくことが予想されます。それによって未経験からエンジニアになる場合に求められるスキルレベルが上がり、時間が経てば経つほどエンジニアになることが難しくなる可能性があります。そのためエンジニアの仕事に興味があるのであれば、なるべく早めに行動を始めましょう。
ただこれまでAIの恐ろしい面ばかりお伝えしましたが、AIによってITエンジニアの仕事はより増えると思われます。おそらくこれまで以上に、ITエンジニアは需要が高い仕事となっていきます。ここでAIの使い方を学び、うまく協調することで他のエンジニアと差別化できる可能性もあります。「ピンチはチャンス」と言いますし、ぜひITエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか?
\プログラミング未経験者の学習について紹介!/
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